MNさんからのお手紙
東京都 40代 女性
医療 訪問看護師
ケアの仕事をするあなたへ
あなたはどんな日々を過ごしていますか?きっと色々なことを考え、悩み今を過ごしていることと思います。
私は看護師で、主に医療的ケアを必要とする医療的ケア児と呼ばれている子どもの訪問看護を行なっています。
そして4歳の子を持つ母でもあります。
新型コロナウィルス感染症の感染拡大によって、子どもの通う幼稚園も3月から休園が続いていますが、預かり保育は継続されているため、私は今も仕事を続けています。
仕事を続けるという選択をしたことで、強い不安や迷うが生じた出来事があり、そのことを書きたいと思います。
緊急事態宣言が出される直前、クラスのLINEグループにあるママが、「何より大切な子どもや家族の命を優先すべき。後悔しないためにも今は家にいるべきだ」という内容を送ってきました。
それを見て、私は仕事を続けていることを批難されたような気持ちになり、さらに母として失格と言われているような気にさえなりました。そんな時に訪問先のお母さんから「子どもを預けて働くことは不安だし、心配よね。私も外から人をいれることは不安で葛藤もある。でもこんな時にでも来てくれることは本当に有難い」と言われ、張りつめていた心がふっと軽くなったように感じました。
私の持つ不安や恐れを共感し、認めてもらえたからだと思います。
その後、子どもを優先して仕事を休む選択をしていない自分はダメな母親だと思っている自分に気がつきました。だからこそ、ママ友の言葉に強く反応し、さらに不安や怖れを感じると同時に、
送ってきたママ友への怒りすら感じていたことにも気がつきました。全ては自分の中にあったものだと…。
改めて自分に仕事を休む選択をしたいか問うと、答えはNo。自分の家族はもちろん大切、同時にケアを必要としている子や家族の命、生活も大切にしたいという願いが強いことを感じました。
自分や家族の健康管理をしっかりと行い、仕事は続けたい、それが私の願いなんだと。
不安や恐れがある、そして誰もが大切な人を守りたいと思っている。それはみんな同じなんだと心から思えるようになりました。
そしてそれぞれが持っている思いや感情によい、悪いはない、ただあることを認め、家にいることを選択した人も、仕事を続けることを選択した人も、誰もがこの状況の中で頑張っている。
不安や怖れ、迷いはこれからでも生じるだろう…でもその都度自分の大切にしたいことは何かを考えられたらと思います。
今回、手紙を書くということで自分の中で感じていたことを言葉にすることができました。
取りとめのない文章を読んでくださった方、ありがとうございました。そしてこのプロジェクトを企画してくださった方々、自分の思いを改めて感じる機会を与えて頂けたことを本当に感謝しています。
私もケアに携わっている方々の思いに触れ、分かち合いたい、そう思っています。
最後に…1日も早くこの状況が落ちつくことを願い、日々過ごしていきたいと思います。