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櫻井真衣さんからのお手紙
東京都  女性
介護  訪問介護員(管理者)

この手紙を読んでくださっている皆さま

はじめまして。
私は、今年で3年目になる訪問介護士(管理者)です。
去年は、壮絶な日々の対応に、泣く暇もなく、先を見ることもできず、ただただ目の前の出来事を必死で解決していく毎日。
あまりにも余裕がなく、自分のことすら置いてきぼりでした。
やっと1年が経ち、自分の気持ちに目を向けられるようになったので、忘れないうちに自分の気持ちを手紙にしようと思います。

いま何が起こっていて、どの対応が正解なのか。
とにかく漠然とした不安と、それに対応して行かないといけないプレッシャーに押しつぶされそうになった1年前。
大好きなテレビ番組をみても何も笑えなくなり、
ごはんを食べるのが面倒になり、
ベッドに横になっても、あれやってないこれできていない…が
頭を支配して何回も目覚めてしまう日々。

日常を誰かとゆっくり話す時間もなくて、自分で頑張るしかなかった時に、ケアレターに出会いました。
幅広い世代のさまざまな業種の方々、置かれている状況は違うけど、どれも寄り添ってくれる手紙で、自分だけじゃないと思えました。

新入社員の歓迎会もできず、
働き続けた社員の送別会もできず、
遠くへ行ってしまう友人とも会えず、
本当は誰にとっても大切な1日なのに、我慢で過ごすことにも慣れてきてしまいました。

「ヘルパーとみんなでお花見をしたい!」
「昔よく行ってた上野動物園にいきたい」
「新鮮な海鮮を食べにいきたい」
というご高齢のお客様。一昨年ならぱっと「行きましょう!!」と言えてたことも、今は悩んでしまいます。

でも、ヘルパーとしてお客様の「今の楽しみ」を大切に、実現したいという思いも強くあります。
感染の恐怖がある中で、少しでも良い毎日を過ごしてほしいという葛藤を感じながら、日々仕事をしています。

感染したら無くなるかもしれない方々が目の前にいる。
その状況で仕事をしている私たちは、とにかく自分が感染しないように、そして自分が気づかず感染してしまっしていた時にお客様に移さないように、最大限の対策をするしかない。でも、どれだけ対策していても、もういつどこでもらってくるかわからない。

常にその時の最善を尽くし、それを毎日続けていく。
1年できたからこれからもできると信じ、これからも頑張っていこうと思います。

櫻井真衣

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