お手紙一覧

藤森紀行さんからのお手紙
静岡県  52歳  男性
介護  介護福祉士・ケアマネジャー
特別養護老人ホーム

こんにちは。お元気ですか?文字の大きさは読み易いですか?
今過ごし易いですか?お変わりはありませんか?
他人に頼まれないと動けない私ですが、本日ちょっと背中をしてもらい、この文をお送りすることになりました。

私は今、特別養護老人ホームで、お年寄りのお世話をしています。今年で確か、二十二年、この仕事でお世話になっている者です。

それなりに長い時間、この業界に携わってきました。
サヨナラを数え切れないほど経験し、又、同時にたくさんの出会いにも恵まれてきました。
これから、私がこの仕事でいただいたものを、思いつくかぎり書き残しておこうと思います。
読んでもらえるだけで有り難いことです。よろしくお願いします。

一.どんな時も、「ありがとう」と心の中でつぶやく。できれば、声に出して形にする。嵐のような感情がどうにもできない時には、やがてそれが去ってから、ありがとうを思い出すようにする。

二.私がこの世界に入るきっかけをくれたある看護師の言葉です。「自分の心に余裕がなかったら、誰かに優しくなんてできないですものね」

三.どうしても目の前にいる人の態度や意見に否定的な感情が湧き出てしまうなら「自分の方がレベルが上だ病」にかかっている、と考える。そして時間と空間の間合いをあける。

四.スリッパをそろえるように、当たり前のことをする。十年ぐらい定期的に振り返っている。えらいお坊さんの言葉です。さらにこう続いています。「マネは一日だけしてそれで終いなら、それは一日のマネ。二日マネしてその後しなかったら二日のマネ。ところが、一生マネをし続けたら、マネがほんまもんや」

五.陰口を言わない。陰ぼめはいくらでもする。完全にはできておりませんが、目下取り組んでいる最中です。

今思いつくかぎりのことを書き記しました。またお手紙してもよいですか?
読んでもらえて嬉しく思います。いつもありがとう。

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